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講談師・神田陽司のテキストブログ


by yoogy
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上野・本牧亭土曜講談会にて。

「どうもいけませんね、水まで安心に飲めないっていわれると不安になってしまいますね」
(α線、β線、γ線などをたとえ話で紹介して…)
「たとえば水に入ってると言われるヨウ素131は数値が210ベクレル、とかいうんですが、100ベクレルというのはこう(ゆっくりパンチを出す)いう感じ、200ベクレルはこういう感じ(倍のスピードで)300は…」
「でも、このパンチにもいろいろ種類がありまして…、これから受けるダメージがシーベルトなワケで、赤ちゃんなんかはこういうゆるいパンチでもダメージを受けるので、大人は大丈夫なわけで…」
(水を買い占めてますけど、40歳以上は安定ヨウ素剤すらもらえない、という話をして…)
「でもね、考えてみれば放射性物質なんてのは日常的にも身近にあるわけなんですね。たとえば、みなさんの飲んでるそのビール、その中にも含まれてるわけですよ。カリウム40という放射性物質が、5ベクレル入ってるワケです。で、その半減期はですね、ヨウ素131だと8日ですが、ビールのカリウム40の半減期はどのくらいだと思います?」
「まあ、ビールなんて半日もせずに酔いもさめちゃうくらいだからせいぜい一日? 二日? いえいえ、ビールの中に含まれてる放射性物質の半減期はですね………」








「じゅうにおく、ななせんななひゃくまんねん」「です」








ただ事実を言っただけなのに、これは受けた。

もちろん、これは当日お運びいただいたお客さまの不安を和らげるためのネタなわけですが、政府の発表を信じる限りはヘンに不安になっても仕方ないと思うわけです。原発は今日も四機とも元気に煙を吐いている。復興への希望どころか、現在の被災者への不安をも煽り続ける(いや、現実に「犠牲者」を生み出し続けている)この問題は徹底的に追求されるべきだと思っています。
# by yoogy | 2011-03-27 15:43

http://www.t3.rim.or.jp/~yoogy/page030.html


なんかね、ダメですね。文章とか。

最近はこの日記に屁理屈ばっかり書いてるもんだから、どうもその、真情が伝わるような文章になってませんね。

まずはこの広報についてののご批判・ご意見をここに書いていただければありがたいです。文書やデザインも変えます。あと、メールがよくない。クリックひとつで送れるようにしいたんだけど、いまごろjavaでいいのかどうか。HTMLを手書きでメモ帳に書いてた時でスキルが止まってます><;。

何かしなきゃいけないんだけど、自分にできることは何だろう。考えてみましたがこれがいまのところベストのような。

現地に行かなきゃと思うんですよ。江頭2:50さんさえちゃんと行ってるのに(彼は長野のデモにも来ていたなあ)。

神戸の時の経験上、自分が現地に行った上での成果と天秤にかけて、今はこちらを選択しました。

来週からは計画停電がない日もほぼ完全節電にしてみようかな、とも。
# by yoogy | 2011-03-25 15:41
今日からは阪神・淡路大震災の時の経験を書こうと思ったが、東京はいまだ「発災中」のようだ。とても過去を振り返って未来を展望できるレベルではないようだ。なので日記。

今回のことは徹底的に検証されなくてはならない。政府の初動対応をどうだったか、安全性についての備えに不備はなかったか。コスト計算とともに検討し直さなくてはならないとともに、だいたい人命のかかった問題を単にコストとして処理していいかどうかも議論されなくてはならない。マイケル・サンデル氏の本ではないが答など出ない問題も常に論議される続けることでその平衡を保つことができる。

今を去ること四半世紀、エンターテインメント情報誌に就職して右も左もわからぬ時、古参の社員が大いに議論していた。チェルノブイリの問題を巻頭カラーで扱ってよいかどうか。エンターテインメント誌にふさわしくない、いや、これは重要な問題だ。自分はどちらかといえば「ふさわしくない」派だったがもちろん新入社員は口など挟まなかった。よもあの時は己が身にシーベルトとかベクレルとかいう怪獣が襲いかかってくるとは思わなかったが。まあ、いまでも意見自体は変わらないだろうが。

「大人は300ベクレルまで許容値」っていう条文が震災後に決定したという情報を目にしたが確認もせずスルーしてしまった。確かめてどうなる。そんな諦念が起こってしまう。国は国でパニックが起らないように努力してるんだろう。なんとも鎖国安定期の長かった「お上のやることに間違いはございますまいから」日本人的な発想だ。来月には崩壊する可能性の高かった内閣なのだがなあ。

情報が定まればやることも決まってくる。三鷹の水が96%以上金町浄水場のものではないと知った瞬間から米を炊く意欲もわいてくる。情報自体を疑いだしたらキリがない。だが、「地球温暖化、人為的CO2起源論」を疑って以来何もかも疑えば疑える気がしてきてしまう。「自由という刑」とツイートしたのはサルトルだったか。いったいどこで不自由(情報受容)と折り合いをつけるのか。

テレビでは「210ベクレルなら安心」と繰り返す。この情報も、明日310ベクレルをカウントしたらどうするのか。それとも今後この値が出ないことを見込んでの発表なのか。そうシナリオを書いて上演を始めた途端に一号炉のトラブルなのか。

けっきょくどこかで「騙すなら騙せ、おれは信じるよ」という地平を定めなくては何もできない。理想は「お上におまかせ」の発想から「お上」をも含んだネットによる情報共有の「集合的叡知」を存在させることだ。高いリテラシーと知性と感性が必要だ。

なんだ、やるべきことは決まってくるではないか。
# by yoogy | 2011-03-24 15:39
東京に帰ってきた。

母の治療のために一週間、兵庫県にいた、いちおう、予定を一日早めて戻ってきた。

午後9時に新宿の高速バスターミナルに着く。

「暗い」それが東京の第一印象だった。これが午後9時の東京なのか。

地震発生時には築地にいたし、それから数時間歩いて自宅に戻った。次の日も本牧亭のトリは決行したし、その次の日の早稲田の校友会のイベントは予定通りだった。その時には誰もまだ、いまの混乱を予想だにしていないように見えた。二次会の帰りにJRの駅員に聞いても「明日のダイヤについて変更の予定は何も聞いていません」という答えだった。

東京の「震災」はこのあと始まったのだ。iPadのおかげでわずか三時間で三鷹東京駅を経過して、そのあとは関西から「高みの見物」だった。

それでも兵庫県人は地震の痛みを知っている。すでに串カツ屋にすら募金箱が置かれている。「東京は大丈夫でしたか?」と聞かれるたびに「東京は、阪神大震災の時の大阪ですよ」と答えた。だが実際にはもう少し深刻だった。

ひとつ前の日記に書いたことは能天気だったかも知れない。だが基本は間違っていない。

「義務は受け入れる時は味方となる」(モンゴメリ)

電気を使って書くだけの意味があることを、明日からは書いてゆきたい。
# by yoogy | 2011-03-23 15:38
「日本の再出発の朝」になるのかもしれない。

断じて「暗い時代の幕開き」ではない。

11日、西武新宿駅に並んで電車にのる人々が、一糸乱れぬ整列をして、文句をいう者も一人としていなかった。あの「羊」たちはただの羊ではない。

ひとたび使命感に燃えると己を省みず公に奉仕することのできる羊だ。

そのことが自分や家族にとってもっとも良い結果をもたらすと信じる羊だ。

まず、困難な人々を助けよ、そして自らを助けよ。天は自ら助くるものを助く。

アラブの民衆の使った道具を、日本人は100倍も使いこなすことができる。

10年後の日本はきっとこの困難を、深い追悼と美しい朝の光の記憶とともに思い出すことができる。できますように。
# by yoogy | 2011-03-14 15:37