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講談師・神田陽司のテキストブログ


by yoogy
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【方谷亭日乗・1】執筆日記

「方谷庵」日乗」にしようと思ったが、やめた。ググッてみると、実在したから。どうも「亭」の方が「庵」よりは立派な感じになってしまうが、うしろが「日乗」なのだから荷風先生のひそみにならって「亭」をいただこう。なぜ「方谷」かは司馬先生の『峠』の397pを見なくていいよ。

日本橋ご案内の仕事。珍しく少人数なのでやりやすかった。本当は人数が多い方が割り増しが発生するのだが、定員ギリギリならこのくらい(11人)の方がやりやすい。お客の人数が少ないことを喜んでる時点でとりあえず芸人としては変態性としか言いようがない。

日本橋「貝新」にてお客様様のお土産のアミの佃煮の数を間違えて自分の分がなかった。ホスト側はなくて当然と思っていたが、あんまり欲しそうな顔に見えたのか永谷の同行の社員の方がそっと自分の分をくれた。ちょっと涙が出るほど嬉しそうになる自分が嫌いではない/いや断れよ。夕食の友に。甘い/うまい。

日曜の本牧の高座にかけるつもりで執筆開始。龍馬シリーズの最古の時代に属する話。今までだと、5月の独演会に向けてたっぷり二月も書けて書いたに違いない話。一日で書いて一日でかけるとすれば30倍のスピードアップだ。ネットを引くと、さっそくニコライ大司教の日記が日本語で出版されていることが判明。九巻もあるが、武蔵野中央図書館にも存在する。ああ、ドストエフスキーとの交流のくだりだけでも読んでから、とかそんなことを考えているから30倍かかる。どうせ芸の力で勝負する芸人じゃなさそうだし、だったら理想通り、一年365日別のネタをかける方をめざせと思い断念。まあ、そのうち読みに行こう。

原稿は規定量の半分まできたが、長ゼリフのところでピタリと止まってしまった。山本琢磨(後にニコライ堂を建てる)が龍馬に別れを告げるのだが、ノリノリで書いてたのに「何でこんなことを言うんだ?」とわからなくなった。明日午前中には最後まで行く。いや、行くってば。

やはりラム酒を飲む前に日記は書いた方がよさそうだ。
by yoogy | 2009-03-13 22:01 | 高座