講談師・神田陽司のテキストブログ


by yoogy
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http://www.t3.rim.or.jp/~yoogy

さて、52話+映画版「MARCO」を全部見終わったわけだが。

これこそ連続講談にするに相応しい大長編であり、可能ならば本当二十席の読み物にしたいところだ(ちなみに二十席というと「徳川天一坊」に相当する)。

「世界名作劇場」といえば、かつて「ニフティサーブ」がネット上のコミュニケーションの主流であった頃、自分は「名劇会議室」のシスオペをやっていた(・・・・と、前に書いたが、完全な思い込みだった。単に「RT会議室」今でいう「実況反省会」の司会を何度かやった程度でした)(あ、ちなみに当時の作品は『七つの海のティコ』なんですよ、ひでさん!)。自分が「オタク系」と名乗る場合、実績としてはメモラーと名劇くらいしかないのかも知れない。それも部分的にだが。

高畑勲+宮崎駿+富野喜幸という、その後の日本のアニメ界を、というか世界の映画界にセカンド・インパクトを与えた三人が最も緊密に力を合わせていた作品であり、二年後の『未来少年コナン』の原型がすべてあると言っても過言ではない。現に船の描写やモブシーン、あらゆる場面・演出に影響を見ることが可能。普段「宮崎信者」と名乗りつつ「高畑勲」をその源流に置く自分としては、この52話を細見できただけでも有り難いことだった。

講談の「石川一夢」という話に作中のクライマックスのひとつである「イタリアの星」でのシーンがあることがそもそものモチベーションなのだが
http://www.t3.rim.or.jp/~yoogy/5takahata.htm
さて、いざこの巨大な海に舟を漕ぎだそうとする時、困難はマルコの道程にも匹敵する思いである。

アイデアとしては、本当にこの大長編を「二十席の講談」と解釈して、その何話めかを語る(読む)つもりになればいいわけだが…。いくつかの問題のひとつ、あまりマルコの口を借りたくない。

もともとほぼマルコの一人称に近い話(意図的にそうしたらしい、彼がアルゼンチンへ着いてからは、イタリアの描写も待ち受ける母の描写もないに等しい)。だが、あの名劇史上に残る名演技を自分の「声」で再現するのは心もとない。やはり子供の役は女声の有利は否めない。まあ、講談に子供が主役のものはたくさんあるが、あのアニメを見た人間を相手にするとなると・・・。

長さ、声、登場人物の多さ、何よりも短時間で、作者の意図するところを損なわず、かつ新鮮な驚きを導入してダイジェストに終わらせず・・・。

こういう困難な仕事を喜べなかったら「創作系講談師」の看板を下ろすしかアルマイトの弁当箱。
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by yoogy | 2009-10-08 19:52 | 高座